鉄仮面御曹司が愛に目覚めたら、契約妻は一途な熱情に抗えない
警察署につくと母とホテルスタッフが数人、そのなかに国治さんも居た。
「国治さん!」
駆け寄ると、それを遮るように母が割って入ってきた。
「ねぇ、琴子の旦那さんに言ってよ! 家族なんだから訴えるとかおかしいでしょ? ね? 」
母の必死で歪んだ表情に、足がすくむ。
その瞬間、母を私から国治さんが引き離した。
「何度も申し上げていますが、親族であろうとこれはどうしようもありません。私が判断するのではなく、オーナーが判断します」
「じゃあ、あなたから言ってくださいよ! あの子は少しおかしくなっただけで、悪気はなかったって!」
母は国治さんに詰め寄る。何がなんでも、どうにか穏便に済ませたいらしい。しかも人任せで。
「悪気がなかったかどうかは、これから調べが始まりますが……借金を断られて暴れた事実は、悪気はないというのは難しいと思います」
借金? 国治さんに?
真っ青であろう私に、国治さんが説明をしてくれた。
妹は私と会った時に、お金を借りようとしたらしい。
でも私は先に帰り、自宅へ行ってみたら引越しした後だった。
なら、勤め先だと親から聞いていたホテル『sakazaki』へ直接出向くと、私は退職していたが夫である国治さんが居た。
初対面でありながらも、私の夫という理由でお金を貸してくれと強請り、きっぱり断ると暴れ始めたという。
人にケガをさせはしなかったが、備品がいくつか破壊されたことでスタッフが警察を呼んだという。
母は泣き崩れ、床にうずくまる。
私はぼうっとその姿を見て、どうしようもない気持ちにでいっぱいになった。
妹のしでかしたこと、この母の姿に、私は国治さんの顔を見れなくなってしまった。
恥ずかしくて情けなくて、消えてしまいたくなっていた。
「国治さん!」
駆け寄ると、それを遮るように母が割って入ってきた。
「ねぇ、琴子の旦那さんに言ってよ! 家族なんだから訴えるとかおかしいでしょ? ね? 」
母の必死で歪んだ表情に、足がすくむ。
その瞬間、母を私から国治さんが引き離した。
「何度も申し上げていますが、親族であろうとこれはどうしようもありません。私が判断するのではなく、オーナーが判断します」
「じゃあ、あなたから言ってくださいよ! あの子は少しおかしくなっただけで、悪気はなかったって!」
母は国治さんに詰め寄る。何がなんでも、どうにか穏便に済ませたいらしい。しかも人任せで。
「悪気がなかったかどうかは、これから調べが始まりますが……借金を断られて暴れた事実は、悪気はないというのは難しいと思います」
借金? 国治さんに?
真っ青であろう私に、国治さんが説明をしてくれた。
妹は私と会った時に、お金を借りようとしたらしい。
でも私は先に帰り、自宅へ行ってみたら引越しした後だった。
なら、勤め先だと親から聞いていたホテル『sakazaki』へ直接出向くと、私は退職していたが夫である国治さんが居た。
初対面でありながらも、私の夫という理由でお金を貸してくれと強請り、きっぱり断ると暴れ始めたという。
人にケガをさせはしなかったが、備品がいくつか破壊されたことでスタッフが警察を呼んだという。
母は泣き崩れ、床にうずくまる。
私はぼうっとその姿を見て、どうしようもない気持ちにでいっぱいになった。
妹のしでかしたこと、この母の姿に、私は国治さんの顔を見れなくなってしまった。
恥ずかしくて情けなくて、消えてしまいたくなっていた。