夏色モノクローム
ep3 濃いめのソルティドッグ
七月に入り、梅雨ももうすぐ明けるか明けないかの時期。朝からじんわりと暑さが滲む日が続く。
この時期はレポート提出が続いて、気分も憂鬱になりかねないけれど、里央は元気そのものだった。
だって、今日は金曜日なのだから。
「おはようございます、志弦さん」
「……おう。朝から元気だな」
ふあああ、と大きく欠伸しながら、いつもの三叉路に志弦がのろのろと姿を現す。
右手にはいつも通り、ゴミ袋をひとつ。ただ、以前とは少し変わったところもある。
「今日も素敵ですね」
「そうかい。ありがとよ」
だるだるだった部屋着姿の彼はどこにもない。日中の、いわゆる普段着だ。
この日の彼はベージュのクロップドパンツにダークグレーのバンドカラーシャツを合わせている。
彼に傷の治療をしてもらった日から一ヶ月弱。こうして朝、彼はゴミ捨てに出てくるとき、部屋着のままでいることをやめた。
理由を聞いてみたところ「顔見知りがいるのに、部屋着のままはさすがに」ということらしい。
なんと里央は、彼の顔見知りという位を勝ち取ったのだ。
この時期はレポート提出が続いて、気分も憂鬱になりかねないけれど、里央は元気そのものだった。
だって、今日は金曜日なのだから。
「おはようございます、志弦さん」
「……おう。朝から元気だな」
ふあああ、と大きく欠伸しながら、いつもの三叉路に志弦がのろのろと姿を現す。
右手にはいつも通り、ゴミ袋をひとつ。ただ、以前とは少し変わったところもある。
「今日も素敵ですね」
「そうかい。ありがとよ」
だるだるだった部屋着姿の彼はどこにもない。日中の、いわゆる普段着だ。
この日の彼はベージュのクロップドパンツにダークグレーのバンドカラーシャツを合わせている。
彼に傷の治療をしてもらった日から一ヶ月弱。こうして朝、彼はゴミ捨てに出てくるとき、部屋着のままでいることをやめた。
理由を聞いてみたところ「顔見知りがいるのに、部屋着のままはさすがに」ということらしい。
なんと里央は、彼の顔見知りという位を勝ち取ったのだ。