【受賞】婚約破棄から始まる貧乏令嬢の領地経営術～チートすぎて王子様が妃にスカウトしてきました～

第一話～第三話のプロット

【第一話】

「セシリー・ハンフリー。この婚約はなかったことにしてもらいたい」
ここはハンフリー侯爵家の応接室。目の前にはセシリーの婚約者であるクレール・メイメ。
彼はメイメ侯爵家の三男坊。将来はセシリーと結婚してハンフリー侯爵家を継ぐ予定なのだが、突然、そのクレールが婚約破棄をつきつけた。
「理由を、お聞きしてもよろしいでしょうか？」
「理由……。それは、このハンフリー領が貧乏だからだ。僕がこれを背負えるとは思えない」
「わかりました」
明るく婚約破棄を受け入れるセシリー。だってこのハンフリー領が貧乏というのは事実なのだ。否定のしようもない。
今日も食べ物を求めて、セシリーは領の外れにある森の中に「きのこ」を採りにいくのだが、そこで聖獣と出会う。


【第二話】

聖獣は、セシリーが伝説の魔女の生まれ変わりだと言う。
そのような記憶がないセシリーだが、聖獣は魔女（セシリーの前世）に恩返しをしたいらしい。
聖獣を連れてきてしまったセシリー。聖獣は姿を変え、大きな真っ白な犬の姿をとる。
迷い犬を保護してきた、という理由でセシリーが聖獣（もふもふしているからモフェットと名付ける）を飼い始める。
ところがモフェットはやはり聖獣。
このハンフリー領で農作物が育たない原因を突き止め、聖なる力で痩せた農地を甦らせ、農作業のアドバイスをセシリーに伝える。
セシリーは領民たちにそれを伝え、貧乏だったハンフリー領が次第に豊かになっていくのだが――。


【第三話】

セシリーがモフェットと出会って半年が経った頃。
この国の各地を旅している、という二人組の男がこのハンフリー領を訪れた。彼らの名はシミオンとイエフ。
シミオンはこのグラント国の第一王子で、立太子の前に国王からの命令で国内各所をお忍びで視察を行っていた。このハンフリー領は土地が痩せているため貧乏と聞いていたのだが、目の前のハンフリー領はたわわに農作物を実らせている。領民たちから話を聞けば全てセシリーのおかげだと言う。
領民のために奔走するセシリーに興味を持ち始めるシミオンだが、彼女の隣にはモフェットという強暴な白い犬がいて、なかなか近づくことができない。
そして護衛のイエフは、なぜかセシリーの侍女ステラをかまい始めて――。

【プロットおしまい】