センセイとわたしのただならぬ関係

 ***

 お風呂から上がり、自室にこもる。
 椅子に座って、筆談した紙を眺める。
 
 冷静になって考えると、こんなことしていいのかな、と疑問がわいてくる。
 秘密めいたやり取りが妙に楽しくて浮かれていたけれど。

 なんといっても、わたしたち教師と生徒だし。
 先生におごってもらうにしても、もし、ふたりで会っているところを誰かに見られたら……
 あらぬ疑いをかけられて、先生、ヤバいことになるんじゃないかな。

 まあでも、とにかくメールはしなきゃ。

  〈津村先生、アドレス教えてくれて
   ありがとうございました。
   あの……大丈夫ですか?
   生徒とこんな個人的なやり取りして〉

 5分ほどして、返信が来た。

  〈おれは別にやめてもやめなくてもいい
   けど。梅谷次第〉

 なんか、ずるい書き方。
 先生の本性、ものすごい遊び人だったりして。
 下手に関わって(もてあそ)ばれたらどうしよう。

 でも、こういうスリル。
 実は嫌い……じゃない。

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