センセイとわたしのただならぬ関係
 車は国立(くにたち)府中インターで一般道に下りた。
 ふと横を見ると、ラブホテルの派手な看板が。
  
 えー、まじでどうしよう。
 も、もしもホテルに連れ込まれたら。

 そうだよ。先生が変態ロリコン教師って可能性だってあるわけだし……
 
 しかも仲間がたくさんって言ってたから、つまり、女子高生と変態のつどい的な……

 いやーっ!
 そんなところ行きたくない!

「何、金魚みたいに口をぱくぱくしてるんだ?」
 先生は信号待ちのとき、無言で葛藤しているわたしにそう声をかけた。


 でも、そんなわたしの不安は、単なる妄想に終わった。

 車はラブホの前をあっさり素通りして市街地に入り、線路沿いの道を進んでいった。
 駅を超えたあたりに駐車場があり、車はそこで停車した。

 降りると、なにやら、甲高い鳥の鳴き声や動物の叫ぶ声がする。

「今日の目的地、動物園ってことですか?」
「そう。ここ、来たことない? ライオンバスでけっこう有名なんだけど」

 動物園……か。
 拍子抜けして腰がくだけそう。
 まあ、変態の巣に連れていかれるより、百倍マシだけど
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