センセイとわたしのただならぬ関係
「こんなに楽しいと思ってなかったです」
「気に入った?」
「はい、とっても」
「ここなら、学校の人間に会うこともないだろうと思ってね」
「ああ、確かに」

 それから、園内をぐるぐる回った。
 思いのほか、珍しい動物もいて、もうワクワクのし通し。

「お、そうだ。梅谷の仲間に会いに行かないとな」
「どこですか? 女子高生は檻に入ってないと思うけど」
「ほら、あそこ」

 そう言って、先生が指差したのはサル山。
 サル山って……ひどくない?

「えー、サルですかー。ひどい。花のJKをつかまえて、何言ってるんですか」
 と、ふくれっ面になると、先生は微笑んで、また頭をポンポンしてきた。
 
 もー、なんか、ずるい。
 そうやってポンポンされるとなんだか気持ちがうわついて、それ以上、文句が言えなくなってしまう。

「でも、可愛いだろ? あの、子ザルたちの群れて遊んでる感じが、どう見ても教室でじゃれ合ってる梅谷たちみたいなんだよな」

 先生にそんなふうに見られてたんだ。
 子ザル……ガキ以下じゃん。
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