センセイとわたしのただならぬ関係
「今日はデートってわけじゃないけど、女の子を楽しませて満足させるという点では同じだから」

 あ、デートではないのね。
 まぎらわしいな、もう。

 なんだか、ずっと先生の手の内で踊らされている気分。
 でも……
 動物園、楽しかったから、まあいいか。

 それより、気になっていること、訊かなきゃ。
「ねえ、先生、なんでウエイターさん、しているんですか? それがどうしても知りたかったんです」
 
 彼はテーブルに両肘をついて、手の上に顎を乗せた。

「訊きたい?」
「はい、それはもう」

 イタズラっぽく、目を輝かせる先生。
「どうしようかな。もし、言わなかったら?」

「今、心臓発作が起きて死んじゃったとしても、先生にとりつきます。謎がとけるまで」
「執念深いんだな。案外」
「そうみたいです」

 先生はニッと口角を上げた。
「いや、面白いよ。梅谷といると飽きない」
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