センセイとわたしのただならぬ関係
 終わったと言うと「見せてみ」と言って、問題用紙を受け取った。

「全滅かと思ったけど、丸もあるな」
「そりゃあ、多少は」

 丸つけを終えると先生は時計に目をやり、立ち上がった。
「そろそろ時間だから行くよ」

 わたしも立ち上がり、ありがとうございました、と頭を下げたら「がんばれよ」とまたぽんぽんする先生。

 見上げると目が合う。
 もう、はじめのときみたいにドキドキはしない。
 というか、逆にちょっと切ない。

 だって、おまえはただのガキって、態度で示されてるみたいで。

***

 それから3週間。
 毎回の予習と大量の宿題をこなすうちに、このわたしでも古文が少しずつ理解できるようになってきた。
 そして分かってきだすと、俄然面白くなってくる。

 家での自習も楽しくなった。
 他の教科そっちのけで、古文の勉強ばかりした。
 わからないことがあれば、先生に即メールで質問できるのもありがたかった。

 その甲斐あって、期末では欠点を免れ、それどころか自己最高点で終えることができた。
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