センセイとわたしのただならぬ関係
第1章 10年前 出会いの夜
それは17歳の誕生日の夜のこと。
両親に連れていってもらったレストランは、高校生には不釣り合いな超高級店。
検索サイトではヒットしないので、よほどの情報通しか知らない。
店にも看板を掲げていない、本当の知る人ぞ知る隠れ家的名店だった。
「おまえもそろそろ、こういう店を経験してもいいころだと思ってな」
高級食器の輸入販売会社を経営している父は、仕事に役立つということもあり、都内で評判になっているレストランには必ず足を運んでいた。
その父のおすすめなので、料理は見た目、味とも、それは素晴らしいものだった。
けれど、残念ながらその美味を台無しにする要素がひとつあった。
父の片腕である田坂信哉さんが家族以外で唯一、この席に呼ばれていることだ。
32歳と言っていたけど、物腰が落ち着いているので、実年齢よりさらに3~4歳は上に見える。
父は彼とわたしの結婚を望んでいるらしく、高校に上がったころから、今日のようなプライベートの食事会に田坂さんを呼ぶことが多くなった。
両親に連れていってもらったレストランは、高校生には不釣り合いな超高級店。
検索サイトではヒットしないので、よほどの情報通しか知らない。
店にも看板を掲げていない、本当の知る人ぞ知る隠れ家的名店だった。
「おまえもそろそろ、こういう店を経験してもいいころだと思ってな」
高級食器の輸入販売会社を経営している父は、仕事に役立つということもあり、都内で評判になっているレストランには必ず足を運んでいた。
その父のおすすめなので、料理は見た目、味とも、それは素晴らしいものだった。
けれど、残念ながらその美味を台無しにする要素がひとつあった。
父の片腕である田坂信哉さんが家族以外で唯一、この席に呼ばれていることだ。
32歳と言っていたけど、物腰が落ち着いているので、実年齢よりさらに3~4歳は上に見える。
父は彼とわたしの結婚を望んでいるらしく、高校に上がったころから、今日のようなプライベートの食事会に田坂さんを呼ぶことが多くなった。