センセイとわたしのただならぬ関係
 そして我慢が限界に達した。
 とうとう熱に浮かされたように「先生に会いたいです」と一言だけ書いたメールを送ってしまった。
 返事もらえるかなと、ドキドキしながら送信ボタンを押した。

 でも……
 いくら待っても返信はなかった。
 暇さえあればメールの着信をチェックしたけれど、まったく音沙汰なし。

 その状態が3日続いて、わかった。
 返事をくれないのは、これ以上、個人的な付き合いをする気はないという先生の意思表示なんだ、と。
 諦めなきゃ、すっぱり。

 でも、翌日になると、また違うことを思ってしまう。

 動物園でも、カフェで勉強していたときも、確かに心が通う瞬間があった。
 ぜったい、勘違いじゃなかった。

 だめだ。
 このままじゃ、宿題も何も手がつかないまま、夏休みが終わっちゃう。
 やっぱり、先生に直接、会いに行かなきゃ。
 そして、好きだって言おう。
 振られたら、もちろん悲しいけど、少なくとも、この宙ぶらりん状態からは抜け出せる。

 今日は土曜日。
 今、家を出れば、ちょうど先生の出勤時間ぐらいに着くだろう。

 わたしは一番気に入っているワンピースに着替え、急いで家を出た。
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