センセイとわたしのただならぬ関係

***

 その後、学校が始まるまでの2週間あまり、どよーんと重い毎日を送った。
 一気に恋して一気に失恋して、心が折れてしまった。

 遊びに行く気も起きず、食事とお風呂の時間以外は部屋に引きこもって過ごした。

 そんなとき、太平洋の彼方の千春とネット通話をした。
 ロサンゼルスと日本の時差は16時間。
 こちらの昼があちらの前日の夜になる。

「なんか、画面暗くない?」
 千春の第一声はそれ。

「千春~。苦しいよ。助けて」
「ああ、暗いには小春が負のオーラを放っているからか」
「話、聞いてくれる?」
「いいよ」

 わたしは千春に今までのことをすべて話した。
 他の誰にも言わないでほしいと頼んで。

 基本、千春は口が固い。
 言っていいことと悪いことの区別はつく人だ。
 わたしが真剣に先生を思っていると伝えたら、誰にも言わないと約束してくれた。

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