センセイとわたしのただならぬ関係

「やっぱり、わたしの言った通りになった。どうもあやしいと思ってたんだよ」

「うー、失恋がこんなに苦しいなんて思ってなかった」
　画面の向こうで、千春が困った顔をする。

「でも、直接、先生に聞いたわけじゃないんでしょ？　彼女がいるって」
　たしかにそれはそうだけど。

「じゃあ、なんでメールしても返信くれなかったんだろう」
「わたしに聞かれても理由はわかんないけど、トラブルがあったんじゃない？　届いてなかったとか」
「そんなこと……ないと思うけど」
「とにかく、一度先生に会って、ちゃんと話してみなよ。誤解かも知れないんだから」
「うん……そうだね」

　ひさしぶりに親友の声が聞けて、少しだけ気分が浮上した。

　でも、千春の言葉にしたがって、もう一度、先生にメールを送る気にはどうしてもなれなかった。