センセイとわたしのただならぬ関係
封筒から出された写真は、わたしと先生がカフェで勉強をしていたときのもの。
 先生に頭を撫でられて、満面に笑みを浮かべてるわたし。
 今となっては、ずっと前のことのように感じる。

「隠し撮りなんて……ひどい」
「今日、調査が上がってきた。おまえの通っている高校の教師だと知って、驚いたよ。まったく、昨今の教師の質の低下は甚だしいな。生徒をたぶらかすようなことをしでかすとは」

「先生を悪く言わないで。わたしたち、なんの関係もないから。ただ勉強を教えてもらっていただけで。ほら、期末テストの結果、良かったでしょう? あれは……」

 父は「言い訳はもういい」とわたしの言葉を遮った。
「こいつと、なんでもないとしても、この先いつまた、こういうことが起きるとも限らない。だから、悪い虫がつかないうちに……」

 わたしは立ちあがり、父の言葉を制した。
 勢いがつきすぎて、あやうく椅子が倒れるところだった。

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