センセイとわたしのただならぬ関係
「えっ?」
「えっ? ってなんだよ」
「だって、そんなの、ありえないから」
「なんで梅谷にわかるんだよ。俺の気持ちが」

「だって、そうしたら二股じゃないですか。彼女と」
「彼女?」
 先生は怪訝な顔をした。
「彼女なんていない。もしいたら、こんなこと、するわけないだろう」

 先生はわたしに回した腕に、さらに力を込め、そして髪に唇をよせた。

 でも……

「でもこの間、とってもきれいな女の人と歩いているところ、見たし……」
「きれいな人と? 人違いじゃないか」
「違います。わたし、どうしても先生に会いたくなって、4〜5日前、お店の前まで行ったんです。そうしたら先生、ひとりじゃなくて……」

 合点がいったようで先生は「ああ」と短い声をあげた。
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