センセイとわたしのただならぬ関係
 すると田坂さんは、父の言葉が終わるか終わらないかのうちにウエイターを呼びつけ、「ワイングラス持ってきて」と、尊大な口調で命じた。

 ところが、である。

 そのウエイターは頭を下げて、毅然とした口調で言った。
「申し訳ございません。当店では未成年の方に酒類を提供することはできませんので」

 ん?
 なんでこの人、一瞬でわたしを未成年だと見破ったんだろう?

 今日はバッチリメイクしてるし、いつもは後ろで結んでいるだけの髪もアップにして、後毛(おくれげ)をいい感じに巻いてるし、わたし的には一番大人っぽいベージュのツーピースだし、パッと見、未成年に見えないと思うんだけど。

 それに、なんだかこの声、聞いたことがあるような気が……

 ウエイターの顔を見て、あやうく「わっ」と叫びそうになった。
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