センセイとわたしのただならぬ関係
「こっちにおいで」
 シャワーを浴びてバスルームから出ると、ソファーに腰かけていた先生は、ぽんと隣を叩いた。

 わたしが言う通りに座ると、先生は肩に手を回して、わたしを包み込み、そして抱き寄せた。

「心臓、ドキドキしてる」
 照れ隠しにそう言って下を向くと、先生はわたしの頬に手を添えて、顔を上げさせた。
「小春……」
「なんか……」
「ん?」
「まだ信じられない。あの、古文の津村先生と付き合ってるなんて」
 
 先生は目を丸くして、それから声を立てて笑った。
「今さらだな。俺たち、もう2年も付き合ってるんだけど」
「そうだけど」

 彼はわたしを抱き寄せ、髪を弄びながら言った。
「確かにそうだな。ついこの間まで、小春は制服着てたんだしな」
「うん。でも、ちょっと残念」
「何が?」
「せっかくなら……学校でちょっとイケないこと、したかったかも」
「ん? イケないことって?」

 わかってるのに、そんなことを聞いてくる。
 やっぱり、相変わらずちょっと意地悪だ。
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