俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
海を見に行ったのだと思った。
馬車の中でも、楽しそうだった。
窓を開けて潮の香りがすると、両手を広げて
大きく呼吸していた。
ロビーに降りると、フロントに居たメルローズに声をかけられた。
「奥様は海を見に行かれたわ
お迎えに行く時間を聞いているの
お迎えは貴方に、お任せしていいかしら?」
お前に言われなくても、そうする。
「彼女をひとりで行かせたのか?」
「大丈夫よ、奥様には知られず、私の婚約者が
ついているの」
メルローズの婚約者。
フロントに居た男を思い出した。
あの男がメルローズの婚約者のような気がした。
俺達3人のやり取りを心配そうに見ていた。
ロビーで大きな声を出すメルローズも不自然だった。
彼女はわざとフロントの男に聞こえるように話していたのだろう。
「私、もうすぐ結婚するの
悩んでて……話を聞いて欲しいのだけど」
「嫌だ」
「えっ?」
「俺は君の家族じゃないし、恋人でもない
結婚に文句があるなら、親に言え
婚約者が不満なら、本人にぶつけろ
俺が聞いても解決しない」
「…」
「俺が話を聞くのは、妻だけだ」
馬車の中でも、楽しそうだった。
窓を開けて潮の香りがすると、両手を広げて
大きく呼吸していた。
ロビーに降りると、フロントに居たメルローズに声をかけられた。
「奥様は海を見に行かれたわ
お迎えに行く時間を聞いているの
お迎えは貴方に、お任せしていいかしら?」
お前に言われなくても、そうする。
「彼女をひとりで行かせたのか?」
「大丈夫よ、奥様には知られず、私の婚約者が
ついているの」
メルローズの婚約者。
フロントに居た男を思い出した。
あの男がメルローズの婚約者のような気がした。
俺達3人のやり取りを心配そうに見ていた。
ロビーで大きな声を出すメルローズも不自然だった。
彼女はわざとフロントの男に聞こえるように話していたのだろう。
「私、もうすぐ結婚するの
悩んでて……話を聞いて欲しいのだけど」
「嫌だ」
「えっ?」
「俺は君の家族じゃないし、恋人でもない
結婚に文句があるなら、親に言え
婚約者が不満なら、本人にぶつけろ
俺が聞いても解決しない」
「…」
「俺が話を聞くのは、妻だけだ」