俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
夏になりかけた今ごろの午後は長い。
グレイスは直ぐに見つかった。
水平線を見渡せる小高い丘の展望台で海を眺めていたのだ。
俺が彼女に近づくと、離れた場所に座っていた
フロントの男が立ち上がった。
すれ違いざま頭を下げた男に、俺は黙礼をした。
メルローズは多分、何とかブルーと言うやつだ。
かまって女がややこしい事を言うだろうけど頑張ってね、の黙礼と
グレイスを見守っていてくれてありがとう、の黙礼だ。
寄せては返す白波をぼんやり見ている彼女は買物をしたらしい。
リボンをかけられた箱を抱えていた。
「グレイス、海を見ているの?」
陳腐なことしか言えない俺。
この場で海を見ているのかなんて、アホ過ぎる。
「あんまり気持ち良さそうに寝ていらっしゃるから、黙って出かけてごめんなさい」
リビングの長椅子で眠っていた俺にグレイスが掛けてくれた上掛けは寝室の物だった。
眠ると言った彼女に俺が掛けたので、その上掛けには彼女の香りがついていた。
それで俺は慌てて寝室を覗いたのだった。
「クリストファー、お誕生日おめでとうございます」
彼女は箱を持ち上げて、俺に差し出した。
どういう事かな?
今日は俺の誕生日じゃないんだけど?
グレイスは直ぐに見つかった。
水平線を見渡せる小高い丘の展望台で海を眺めていたのだ。
俺が彼女に近づくと、離れた場所に座っていた
フロントの男が立ち上がった。
すれ違いざま頭を下げた男に、俺は黙礼をした。
メルローズは多分、何とかブルーと言うやつだ。
かまって女がややこしい事を言うだろうけど頑張ってね、の黙礼と
グレイスを見守っていてくれてありがとう、の黙礼だ。
寄せては返す白波をぼんやり見ている彼女は買物をしたらしい。
リボンをかけられた箱を抱えていた。
「グレイス、海を見ているの?」
陳腐なことしか言えない俺。
この場で海を見ているのかなんて、アホ過ぎる。
「あんまり気持ち良さそうに寝ていらっしゃるから、黙って出かけてごめんなさい」
リビングの長椅子で眠っていた俺にグレイスが掛けてくれた上掛けは寝室の物だった。
眠ると言った彼女に俺が掛けたので、その上掛けには彼女の香りがついていた。
それで俺は慌てて寝室を覗いたのだった。
「クリストファー、お誕生日おめでとうございます」
彼女は箱を持ち上げて、俺に差し出した。
どういう事かな?
今日は俺の誕生日じゃないんだけど?