星が降る夜に君を恋う
そういえば、明後日は七夕ということを思い出した。
俺は七夕に奏を誘って一緒に七夕に行くことになった。
いよいよ、奏が退院する日だ。
そして、七夕を見に行く。
もう、辺りが暗くなり始め、隣にいる奏が少し寒そうにしていたので、手を繋いだ。
奏は耳まで赤くし、ペシペシと俺を叩いてきた。
こんな暮らしがいつまでも続きますように。
「あっ」
奏が急に大きい声を出すものだからすごくビックリした。
「短冊書こうよ!」と言われたので書くことにした。
今年は運が良く、天の川がよく見えた。
ほとんど誰もいないベンチに座りながら、2人で短冊を書いた。
お互い短冊を書きながら俺は、去年まで毎年、天の川に雲がかかっていたのになとつぶやいた。
その瞬間。
私、思ったんだ。
年に一度出会うから、その姿を見られないように神様が雲で隠してるんじゃないかって。
あっそうかと俺は納得した。
奏はたまに、ロマンチストなところがある。
俺は、来年もここに来ようねと言った。
奏は、
「うん」
とだけ言った。
お互い短冊を書き終えて、なんて書いたの?
と聞いても秘密〜の一点張りだ。
気づいたらもう、真っ暗になっていた。
奏は少し慌てた様子で早く帰らないとと言ったので帰ることにした。
その前に、トイレに行くといい、奏を騙し、俺は奏の短冊を探した。
たしかここの辺に短冊飾ったはず!奏のは……あった!「また来年もここで会えますように」と書いてある。
まるで、来年会えないな書き方じゃないかと思った。
俺は、急いで奏の元へ帰った。奏はベンチに座っていて、一緒に歩き出した。
その瞬間、、フラッ、、、バタッ、、、
「奏?」
奏!奏!奏が倒れた。やがて、救急車が来て運ばれた。
もちろん俺も救急車に乗ったが、名前を呼ぶことしかできなかった。