イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
鎌倉に引っ越して来た日を境に、私は宗ちゃんを異性として意識するようになった。でも、母親を忘れられずにいる彼を好きになっても虚しいだけ。だから長い間、宗ちゃんは年の離れた兄のような存在だと自分に言い聞かせてきたのだ。

「私も宗ちゃんが好き」

「うれしいよ。ありがとう」

長い間胸に秘めていた思いを伝えると、宗ちゃんが重ねていた手にキュッと力を込めて笑みを浮かべる。

思いが通じ合ったのはうれしいけれど、慣れないスキンシップは恥ずかしい。

手を握り返すこともできずにうつむいていると、思いもよらない言葉が耳に届いた。

「クリスマスだけど、できれば一泊したいと思っているんだけどどうかな?」

宗ちゃんが私の顔を覗き込んで首をかしげる。

私たちはついさっき、お互いの気持ちをたしかめ合ったばかり。クリスマスディナーは楽しみだけど、ひと晩をともに過ごす覚悟はまだできていない。
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