イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く

クリスマスとプロポーズ

クリスマスイブ当日。

「お疲れさま。さあ、乗って」

「うん。ありがとう」

保育園まで迎えに来てくれた宗ちゃんのエスコートで、左ハンドルの車の助手席に乗り込む。

この車でひまりと一緒にドライブや大型スーパーに連れて行ってもらったことは何度かあるけれど、ふたりきりで出かけるのは今日が初めて。運転席に回り込んで車を発進させた宗ちゃんを意識せずにはいられない。

胸をドキドキと高鳴らせて、ハンドルを握る端整な横顔をチラチラと見つめていると、信号待ちでブレーキをかけた彼と目が合った。

「そのワンピース、素敵だね。よく似合っているよ」

これから横浜(よこはま)のみなとみらいのホテルのレストランで、ディナーを楽しむ予定になっている。

先週の日曜日。年上の彼を意識して、袖がレース素材のシックなブラックワンピースを買って、伸ばしたままの髪をサロンで整えてもらった。

普段とは少し違う私に気づいて褒めてくれる、さりげない優しさがうれしい。

「ありがとう。宗ちゃんもすごくカッコいいよ」

ウチに来るときはシャツにチノパンといったカジュアルな格好が多い彼も、今日はネイビーのスーツ姿。

大人の色気を醸し出す彼から、ますます目が離せない。
< 21 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop