イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
「ありがとう。あかりちゃんと初めてのデートだから、気合いを入れてきたんだ」

信号が青に変わり、再び車を発進させた彼が朗らかに笑う。

お互いを褒め合うひとときに照れくささを感じながら、他愛もない会話を交わしてドライブを楽しんでいると、四十分ほどで目的地であるみなとみらいに着いた。

ホテルの駐車場に停めた車から降りた私の右隣りに宗ちゃんがスッと並ぶ。

「俺に掴まるといい」

宗ちゃんが左腕を軽く曲げる。

ワンピースに合わせて、七センチヒールのパンプスを新調したのはいいけれど、普段スニーカーばかり履いているせいか足もとがおぼつかない。

「ありがとう」

エスコートが板についている紳士的な宗ちゃんを頼もしく思いつつ、腕に手を添えてエレベーターに乗り込む。そしてフロントでチェックインを済ませると、十八階のフレンチレストランに向かった。

テーブルの上に置かれたキャンドルの炎が揺れる幻想的な店内を進み、案内された窓際の席に座る。

「綺麗」

窓の外に広がるライトアップされた大観覧車に感動している私を見て、宗ちゃんがクスッと笑った。

「喜んでくれてうれしいよ。コース料理を予約してある。まずはシャンパンでいいかな?」
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