イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
このまま瞼をゆっくり閉じたら、今度は唇にくちづけが落ちるだろう。でも、あのことをうやむやにしたまま、キスを求めるわけにはいかない。

「さっき、レストランで年齢を確認されたでしょ? 宗ちゃんは二十も年が離れた私が奥さんになるのを恥ずかしいと思わないの?」

証明書の提示を求められたとき、子供っぽい私は落ち着きのある彼にはつり合わないと、遠回しに言われたような気がしてショックだった。

「まだあのことを気にしているのか。俺はかわいい見た目に反して、しっかりしているあかりちゃんに惹かれたんだ。恥ずかしいとは思わないし、周りの目など気にする必要はない」

ありのままの私を受け入れてくれる宗ちゃんの言葉を聞いた瞬間、二十という年の差などどうでもよく思えるから不思議だ。

「ありがとう」

晴れ晴れとした気分でお礼を伝えると、宗ちゃんがテーブルの上に置いていたジュエリーケースを手に取った。

「改めて聞くよ。あかりちゃん、俺と結婚してください」

悩みがすべて解消した今、プロポーズを断る理由はない。

「はい。よろしくお願いします」

近い将来、夫婦になる喜びに浸っていると、宗ちゃんがジュエリーケースの中から指輪を取り出す。
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