イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
「おはよう」

目が覚めたときに大好きな人が隣にいる幸せに浸って、挨拶を交わす。

初めてのデートでプロポーズされた感動的なクリスマスイブから一夜が経っても、気持ちはまだ高ぶったまま。

頬を紅潮させて宗ちゃんを見つめていると、不意に唇を塞がれた。

ついばむようなキスが徐々に濃厚になっていくと同時に、大きな手が膨らみに触れる。

昨夜、私は彼の前で一糸まとわぬ姿になったけれど、朝日が差し込む明るい部屋で素肌を見られるのは恥ずかしい。

「ま、待って」

彼の逞しい胸に両手をあてて抵抗を試みたとき、スマホの呼び出し音が耳に届いた。

友人とのやり取りはメッセージアプリを利用しているし、仕事が休みの日曜日に職場の人から連絡が入ることはまずない。

胸騒ぎがするなかバスローブを身にまとい、ベッドから飛び降りると急いでリビングに向かって、ソファの上に置いたままにしていたバッグからスマホを取り出す。するとそこにはなにかあったときのために、お互いの連絡先を交換していた愛ちゃんのお母さんの名前が表示されていた。

もしかしたら、ひまりの身になに起きたのかもしれない。

不安に駆られながら、急いで応答ボタンをタップする。
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