イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く
込み上げてくる涙が瞳からこぼれ落ちないように下唇を噛んで我慢していると、宗ちゃんがジュエリーケースを手に取ってジャケットの内ポケットにしまった。

「わかった。でも重いと言われようが、俺の気持ちは永遠に変わらないよ。これからも今までと同じように、あかりちゃんとひまりちゃんに会いに来るからそのつもりでいて」

「……うん」

プロポーズを断って冷たい態度を取ったにもかかわらず、彼はまた私たちに会いに来ると言ってくれた。

この先、宗ちゃんと会っても気まずい思いをするかもしれないけれど、顔が見られるだけで充分幸せだ。

「とりあえず今日はこれで帰るよ。ひまりちゃんの熱が上がって病院に行くなら車を出すから遠慮しないで連絡して。それからひまりちゃんが寝ている間に、あかりちゃんも休んだ方がいい」

「はい。そうします」

こんなときでも私たち姉妹を気遣ってくれる宗ちゃんを、愛しく思う気持ちがあふれて止まらない。でも身を引くと決めたからには、未練を断ち切らなければいけない。

宗ちゃんを思って泣くのは今日で終わり。

「じゃあね」と言って家を出て行く彼を玄関先で見送ると、その場に崩れ落ちるようにしゃがみ込んで涙を流した。
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