イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く

「暗くなる前に帰って来るのよ」

「うん。わかってる」

会食が終わり、これから愛ちゃんの家に行くと言うひまりをレストランの前で見送る。

引っ越してきた当時はまだ小さかったひまりも、今は目線が同じになるくらいまで背が伸びた。

両親がいなくても素直に成長してくれてよかったと思う反面、私の手もとからひまりが離れていくような気がして寂しい。

複雑な気持ちを胸に抱えてため息をつくと、宗ちゃんに顔を覗き込まれた。

「あかりちゃん。海まで散歩しない？」

「うん」

今の時刻は午後二時を過ぎたばかり。家に帰って夕食の準備をするのはまだ早い。

たまにはゆっくり過ごすのもいい気分転換になると考えながら、海岸へ向かって歩き出した宗ちゃんの後をついて行った。

太陽の日差しがたっぷり降り注ぐなか、海に続く平坦な道を歩いていると、二十分ほどで目的地である由比(ゆい)ガ浜(はま)海岸に到着する。