イケオジ紳士は年の離れた彼女を一途に愛し抜く

私に向けられたまなざしは真剣そのもので、彼が冗談を言っているようには見えない。けれど、その説明をすべて信じることもできない。

「でも宗ちゃんは、今もお母さんを好きなんでしょ？」

『そろそろ』という言葉が本当だとしたら、以前から私に好意を寄せてくれていたことになる。

本心を探るように、切れ長の瞳を見つめて答えを待つ。

「たしかに由香ちゃんは初恋の人だけど、今俺が好きなのはあかりちゃんだけだよ」

宗ちゃんが今も母親を一途に思っていると信じて疑わなかった私にとって、彼の告白は寝耳に水。

事実を知って呆然としていると、膝の上にのっていた手に大きな手が重なった。

「由香ちゃんが亡くなっても泣きごと言わずに、ひまりちゃんの世話をして家事をこなす健気なあかりちゃんに惹かれたんだ。あかりちゃんは俺のこと、どう思っている？」

宗ちゃんに返す答えはひとつしかない。だって私はあのときから、彼を意識していたのだから。