ほらね、今日もまた、
「とにかく、蓮くんとは何もないし何も思ってないから」
「ほらそれ! 藤原のこと"蓮くん"なんて呼ぶの理咲しかいないじゃん!」
「それは小中からの名残なの」
大嘘と、本当のこと。
目をキラキラ輝かせるうららには申し訳ないけどいつも嘘をついている。
"蓮くんとは何もないし何も思ってない"
うららと出会ってからずっとつき続けている嘘。"何もない"ことは本当。だけど、"何も思ってない"のは嘘。
藤原、と聞くたび反応してしまうのも、蓮くん、と呼んでいるのも、全部、"小中からの名残"。
「藤原、いいと思うんだけどなぁ。お似合いだと思うよ」
「蓮くんとわたしじゃ釣り合わないよ。本当にお似合いだったらきっととっくに付き合ってるよ」