色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅱ
この男、どっかしらテイリーと同じ匂いがするのは気のせいじゃないだろう。
性悪の匂いがぷんぷんとする。
身分が高いが故に、勝手に魔法を使用しても誰も咎めない…それどころか、罰せられることなく今まで生きてきたに違いない。
私の姿を変身させた上に、
家まで送るといいながらも、ドアを開けると廊下ではなく、一軒の家が目の前に現れたので。
また、魔法を使って移動したんだなと男を睨みつける。
男は悪気を感じさせることもなく、「この家です」と笑顔で言った。
白い外壁の家だけど、屋根や窓淵は緑色で可愛いなという印象を持つ。
2階建てのお家。
「では、僕はこれで」
家に見とれていると、男は頭をぺこりと下げる。
「ありがとうございました。テイリーによろしくお伝えください」
慌てて言うと、男は白い歯を見せて「じゃっ」と言って一瞬で姿を消した。
魔法使いまくりじゃんか…と思いながら、見えなくなった男に向かって「はー」と思わず、ため息が漏れた。
スーツケースをガラガラと引いて、玄関の前に立つと。
急に心臓がバクバクと痛くなる。
自分の家とはいえ、緊張する。
鍵は開いているのだろうかと思いながら、恐る恐る扉を開けると。
あっさりと開いた。
開けるとすぐに黒色の玄関マットが敷いてあるのが見えて。
「よいしょ」と言いながらスーツケースを中に入れて再び前を向くと。
見知らぬ女の子がお化けのように、ぬぅーと立っていたので「ぎゃー」と本日2回目の悲鳴をあげる。
驚いて口をパクパクさせて、一歩後ずさる。
「ごめんなさい、家、間違えました」
目の前に立つ女の子は侍女なのだろうか。
黒いワンピースの上に白いフリフリのエプロンを着ている。
「お待ちしておりました。アリア様」
「うん?」
聞きなれない名前に数秒ほど固まったが。
あ、私の名前かと気づいてじっと女の子を眺めてしまった。
性悪の匂いがぷんぷんとする。
身分が高いが故に、勝手に魔法を使用しても誰も咎めない…それどころか、罰せられることなく今まで生きてきたに違いない。
私の姿を変身させた上に、
家まで送るといいながらも、ドアを開けると廊下ではなく、一軒の家が目の前に現れたので。
また、魔法を使って移動したんだなと男を睨みつける。
男は悪気を感じさせることもなく、「この家です」と笑顔で言った。
白い外壁の家だけど、屋根や窓淵は緑色で可愛いなという印象を持つ。
2階建てのお家。
「では、僕はこれで」
家に見とれていると、男は頭をぺこりと下げる。
「ありがとうございました。テイリーによろしくお伝えください」
慌てて言うと、男は白い歯を見せて「じゃっ」と言って一瞬で姿を消した。
魔法使いまくりじゃんか…と思いながら、見えなくなった男に向かって「はー」と思わず、ため息が漏れた。
スーツケースをガラガラと引いて、玄関の前に立つと。
急に心臓がバクバクと痛くなる。
自分の家とはいえ、緊張する。
鍵は開いているのだろうかと思いながら、恐る恐る扉を開けると。
あっさりと開いた。
開けるとすぐに黒色の玄関マットが敷いてあるのが見えて。
「よいしょ」と言いながらスーツケースを中に入れて再び前を向くと。
見知らぬ女の子がお化けのように、ぬぅーと立っていたので「ぎゃー」と本日2回目の悲鳴をあげる。
驚いて口をパクパクさせて、一歩後ずさる。
「ごめんなさい、家、間違えました」
目の前に立つ女の子は侍女なのだろうか。
黒いワンピースの上に白いフリフリのエプロンを着ている。
「お待ちしておりました。アリア様」
「うん?」
聞きなれない名前に数秒ほど固まったが。
あ、私の名前かと気づいてじっと女の子を眺めてしまった。