色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅱ
太陽様の質問に。
「へ?」と声を漏らすと同時に。
後ろにいたはずのシナモンが太陽様の前に立った。
「違います。よおく、ご自身の目で見てください。わたくしはエアー様のような美しさは持っておりません」
異性だというのに、顔を思いっきり近づける。
もうキスできちゃうんじゃないかっていうくらい至近距離で顔を近づけ、
「ふんっ」とシナモンは鼻で笑った。
シナモンの行動に太陽様はぽかんとしている。
「わたくしは、とある貴族の方のもとで侍女として働いてきました。だけど、毎日が死にたくなるくらい辛くて非道な仕打ちを受けてきて…そんなわたくしを救い出してくださったのがエアー様なのです」
シナモンは立ったま、物凄い形相で太陽様を睨みつけている。
「今後、エアー様の娘だなんてそのような失礼なことは一切口に出さぬよう願います」
「…すんません」
シナモンの剣幕に太陽様が落ち込んでいる。
そこまで言わなくていいのに…。
「先生って美人だし、シナモンさんも可愛いからてっきり親子なのかなって。ほんとすいません失礼なこと言って」
「いえ、大丈夫ですよ」
まだ怒りがおさまらないのか、後ろからシナモンのどろどろとしたオーラを感じたけど。
私は気にならなかった。
「じゃあ、先生はお子さんはいらっしゃらないんですか?」
「ええ、天涯孤独です」
自嘲ぎみに答えると。
落ち込んでいた太陽様は表情を変えて真剣な顔つきをしている。
一体、この人は何を考えて、さっきから変な質問ばかりしてくるのだろう…
シナモンと私が親子だなんて、誰にも言われたことなんてないし。
根掘り葉掘り自分の家庭事情を訊いてくる人なんて現れなかった。
「すいません、私のは話はいいので。それよりも、お宅にあるピアノは昔からあるものなのですか?」
「えっ。ピアノですか?」
真剣に考えていた太陽様は、鳩が豆鉄砲を食ったように驚いた。
「ええ、最近買ったものには見えなかったので…」
「ああ、そうです。ピアノは母の形見です」
やっぱりそうか。
「じゃあ、イチゴ様はお母様からピアノを習っていたんですね」
「母は、ピアノがとっても上手だったんです。イチゴは母に憧れてピアノを弾きたいんでしょうね」
「そうなんですね。イチゴ様にピアノのことを訊いても、答えてもらえなかったので…」
「ああ、あいつは自分のことあまり話さないから」
イチゴのことを話すときの太陽様って落ち込んでいるのはなんでなのだろう?
12歳の女の子だから、やっぱり年の離れたお兄さんとギクシャクしているのだろうか。
「へ?」と声を漏らすと同時に。
後ろにいたはずのシナモンが太陽様の前に立った。
「違います。よおく、ご自身の目で見てください。わたくしはエアー様のような美しさは持っておりません」
異性だというのに、顔を思いっきり近づける。
もうキスできちゃうんじゃないかっていうくらい至近距離で顔を近づけ、
「ふんっ」とシナモンは鼻で笑った。
シナモンの行動に太陽様はぽかんとしている。
「わたくしは、とある貴族の方のもとで侍女として働いてきました。だけど、毎日が死にたくなるくらい辛くて非道な仕打ちを受けてきて…そんなわたくしを救い出してくださったのがエアー様なのです」
シナモンは立ったま、物凄い形相で太陽様を睨みつけている。
「今後、エアー様の娘だなんてそのような失礼なことは一切口に出さぬよう願います」
「…すんません」
シナモンの剣幕に太陽様が落ち込んでいる。
そこまで言わなくていいのに…。
「先生って美人だし、シナモンさんも可愛いからてっきり親子なのかなって。ほんとすいません失礼なこと言って」
「いえ、大丈夫ですよ」
まだ怒りがおさまらないのか、後ろからシナモンのどろどろとしたオーラを感じたけど。
私は気にならなかった。
「じゃあ、先生はお子さんはいらっしゃらないんですか?」
「ええ、天涯孤独です」
自嘲ぎみに答えると。
落ち込んでいた太陽様は表情を変えて真剣な顔つきをしている。
一体、この人は何を考えて、さっきから変な質問ばかりしてくるのだろう…
シナモンと私が親子だなんて、誰にも言われたことなんてないし。
根掘り葉掘り自分の家庭事情を訊いてくる人なんて現れなかった。
「すいません、私のは話はいいので。それよりも、お宅にあるピアノは昔からあるものなのですか?」
「えっ。ピアノですか?」
真剣に考えていた太陽様は、鳩が豆鉄砲を食ったように驚いた。
「ええ、最近買ったものには見えなかったので…」
「ああ、そうです。ピアノは母の形見です」
やっぱりそうか。
「じゃあ、イチゴ様はお母様からピアノを習っていたんですね」
「母は、ピアノがとっても上手だったんです。イチゴは母に憧れてピアノを弾きたいんでしょうね」
「そうなんですね。イチゴ様にピアノのことを訊いても、答えてもらえなかったので…」
「ああ、あいつは自分のことあまり話さないから」
イチゴのことを話すときの太陽様って落ち込んでいるのはなんでなのだろう?
12歳の女の子だから、やっぱり年の離れたお兄さんとギクシャクしているのだろうか。