色褪せて、着色して。～悪役令嬢、再生物語～Ⅱ

「どうぞ、お座りになってください」
　緑目の男に言われ、私とジャックさんは座る。
　ジャックさんは緑目の男の隣に座った。
「どうでしたか、約半年間。アリアさんとしての生活は」
「どうって…それよりも、こんな悠長に話している場合じゃないんです」
「まあまあ、落ち着いてください。話には順序というものがあるんですから」
「私の家に強盗が入って、侍女が一人行方不明なんです。落ち着けますか、この状況で」
　怒りを爆発させて、大声で言ったが。
　緑目の男も、ジャックさんも無表情だった。
　まるで、私だけオカシイ存在に思えた。

　がらんとした部屋だ。
　応接間なんだろう。
　ソファーがあってローテーブルがあって。
　窓からは光が入ってきて。
　天井にはシャンデリアがぶらさがっていて。
　目の前には無表情で話の通じない男が２名座って、こっちを見ている。

「あなたに会わせたい人がいます」