11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白
「ミモザサラダも美味しいですよ」
「だね、ぼくも料理が上手くなったな」
途端にお調子者になる真人さん。やっぱり楽しい…!
うちの両親は共働きで子どもの頃から留守がちだったから、わたしはこうして鈴宮家で過ごすのは当たり前になってる。いつもいつも、真人さんはわたしが楽しくなるように、とおちゃめな一面を見せてくれる。
「わたしが幼稚園の頃よりはマシですね」
「……カレーは甘口なのに、美幸ちゃんが辛口になったな~」
「ふふ、進歩してるってことですよ」
「そんな意地悪言う人には、デザートに買った美々屋のプリン無しにしようかな?」
「わ〜嘘です!素晴らしく成長シテマスネー」
「……なんか後半わざとらしいが、まあいいか」
近所の洋菓子店のプリン!手作りの焼きプリンの上には、生クリームとたっぷりのフルーツがのっていて、まるでパフェのようなボリューム。多少お高いけど、特別な日によく食べた思い出がある。
「うーん、美味しい!」
「ほんと、美幸ちゃんは美味そうに食ってくれるよね」
真人さんに言われて、口いっぱいに頬張ったことをちょっとだけ後悔。女の子なら、やっぱり小さな口で食べるべきだったよね?