11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白

(そうか……本当は美穂さんと来る予定だったけど、彼女が他に用事ができたか何かで、来られなくて……仕方なくわたしと来たんだ!だから、不機嫌そうだったんだ……)

もしくは、わたしがわがままを言ってしまったから、彼女との大切な時間を切り上げなきゃいけなかった……か。

改めて考えると、自分がどれだけわがままで身勝手極まりなかったかがわかって…いたたまれない気持ちになる。

そりゃあそうだ。
結婚を考えてる最愛の彼女とのバレンタインデート。最後まで一緒にいたかったに決まってる。
それなのに、わたしは自分の気持ちだけでいっぱいいっぱいで……彼の都合を考えずに、幼なじみをたてに優しさに甘えてしまった。

じわり、と涙が滲み、唇を噛んだ。

(わたし……本当に子どもだな。だから、いつまで経っても真人さんからは子ども扱いだったんだ…それすら理解せずに、表面だけ大人っぽくしても無駄なはずだよね)

もう20歳になるのに、自分の幼さが嫌になる。

短大を卒業して働くのに、このまま大丈夫なのかな…?なんだか、何もかも自信がなくなってきた。





< 25 / 42 >

この作品をシェア

pagetop