11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白

もうすぐ別の女性と結婚する人の子ども…。
しかも、フラレてる。
最初から父親無しで一人で育てなきゃいけない。

当然、両親には大反対された。

子どもを不幸にするつもりか、一人で暮らすのも大変なのに、まして知らない土地で一人で子育てなんてできるのか?甘い!!と叱られた。

でも、わたしは離縁覚悟で必死に説得した。決して迷惑はかけない。頼らないから、好きにさせて…と。

麗奈まで日参して説得してくれたのも大きかったと思う。

やがて、両親は折れてくれたけど。本当に渋々だった。

勤務先にも迷惑をかけることは先にしっかり説明して謝罪しておいた。
工場の社員食堂だけど、工場自体が24時間稼働だから忙しい。本当は夜勤もあるけど、妊娠を理由に免除は申し訳ないけどありがたかった。

嫌味をいう人はいたけど、上司がシングルマザーで理解があり助かった。そのぶん、頑張って働いた。つわりで苦しくても、他の人の迷惑にならないように。

10月に産まれた雅人も、もう2歳になる。
日に日に彼に似てくるのが嬉しくて、そしてちょっとだけ切なかった。


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