身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜


 私は葵織さんを見送ってから自分の大学に行く準備を始める。昨日のうちに選んでいたシースルーのトップスにラベンダー色のキャミワンピを着ると髪も緩く巻いてから部屋から出た。洗面所でメイクを施し、結婚指輪をはめると鞄とお弁当を持って家を出た。
 
 家から大学までは、車で十五分。

 だけど自分の車ではない、筒香家の車で運転手付きだ。婚姻前に葵織さんが心配だからと元々は筒香家の運転手だったのを葵織さんが引き抜き私付きの運転手として雇った、と言っていた。


「優結さま、きょうもこの辺りでよろしいのですか?」

「うん、大丈夫だよ。少しくらい歩かないと運動不足になっちゃうもん」

「さようでございますか……では停まりますね」


 車は駐車OKの道に停まると、運転手さんは降りてドアを開けてくれた。

 私は降りると「お気をつけていってらっしゃいませ」と丁寧な言葉で見送られて大学へと歩き出した。


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