身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜


 ***
《葵織side》

「お昼、行かない? ……って今日も愛妻弁当か、専務」


 現在十二時、優結ちゃんが作ってくれたお弁当を広げて食べようと思ったタイミングで同期の楓が来た。

 会社では専務の役職がある俺の秘書として働いてくれているのが(かえで)で、女性だが唯一恋愛感情を俺に持たないサバサバしている。


「そうだよ、優結ちゃんのお弁当美味しいんだよ。若いのにしっかりしてるんだよね」

「そうですか。じゃあ私はお昼に出て来ますね」

「うん、了解」


 彼女が出て行ってから俺は箸を持つとお弁当を見る。今日のメニューはメインを唐揚げとし甘い卵焼きに人参のきんぴら、モロヘイヤとベーコンの炒め物、隅にはミニトマトが側に添えられている。

 一口食べると美味しすぎて涙出そう。本当に、優結ちゃんが奥さんになってくれてよかった……幸せだなぁ


 それに巾着に入っていたメモを取り出せばそこには【お仕事お疲れ様です。午後も頑張ってください♡】と可愛い字で書かれていた。

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