身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜
「ただいま……優結?」
名前を呼ばれて、ハッと目が覚めた。声の主を見るとそこには葵織さんがいて外はもう真っ暗だった。
「あっ、葵織さんっ! お帰りなさい! ご、ごめんなさい」
「謝らないで、優結ちゃん。俺怒ってないから……大学と主婦業して頑張ってくれてるんだ、感謝しかないよ」
主婦業、か……こんな些細な言葉なのにそんな言葉すらやっぱり奥さんにはなれなくて所謂、家政婦なんだなって実感する。
「優結ちゃん?」
「……っいえ、感謝されるほどのことはしていません。ご飯、食べましょうか。温めますね!」
「うん、ありがとう」
葵織さんは優しく微笑んでくれたけど私の心は晴れなかった。