身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜


「優結ちゃん」


 いつもと同じ優しい声色に乗せて私の名を呼ぶのは、婚約者で夫になる予定の筒香(つづこう)葵織(きおり)さんだ。


「葵織さん」


 私は振り向き葵織さんを見ると、白のタキシードを纏っていてますますかっこよくて素敵だ。


「優結ちゃん、綺麗だね。素敵だ」

「ありがとうございます、葵織さん。葵織さんもかっこよくて素敵ですっ」

「ありがとう。こんなに可愛らしい花嫁さんを妻にできるなんて俺は幸せ者だなぁ」


 そう言う葵織さんは「写真撮っていい?」なんてお茶らけてスマホを見せたので頷けば私にスマホを向けるとパシャっと音がした。


「撮れた。ありがと」

「うん」

「緊張してる?」

「少しだけ……でも、いつも通りの葵織さんで安心して、緊張が解けました」


 葵織さんは「それは良かった」と微笑むとこの部屋から出ていった。彼が出て行ってすぐ、スタッフの方が呼びにきてくれて式場に向かうことになった。


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