身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜


「でも、葵織さんと結婚したんでしょ? 葵織さん、優しい? そうだ、なんててプロポーズされたの?」

「……なんで、そんなに楽しそうにしてるの」

「えー? だって、妹の恋バナ聞きたいじゃない」


 そうお姉ちゃんが言った時、なんだかどうでも良くなった。もうぶちまけてしまおう。

 さっき店員さんが持って来てくれた抹茶ラテを一気飲みをしてお姉ちゃんに向かって言った。


「恋バナって……お姉ちゃんのせいで大変だったんだよ!? 私は急に結婚しなきゃいけなくなるし、葵織さんだって好きでもない年下の私と結婚しなきゃいけなくなったんだから!」

「え? うそ……」

「本当よ! 私はお父さんに言われて、家のためにって婚約して……葵織さんだって――」

「ごめん、優結。これには事情が……それに葵織さんだって」


 なんでそんな嘘がつけるの?

 勝手に居なくなって勝手に戻ってきたお姉ちゃんがなんで……


「もう、いいよ。なんでそこで葵織さんが出てくるのよ! お姉ちゃんがそんなこと言うだなんて思わなかったよ……お姉ちゃんなんて嫌い!」

「優結!?」

「私、帰るから」


 テーブルに千円札を一枚置いてここから出た。



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