身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜


「――何、これ。どうした?」


 十九時ごろ、帰ってきた葵織さんは一言そう言った。


「葵織さん、あのね……ご飯作りすぎちゃって、お母さんにお裾分けしようと来てもらったらお義母さんが来てそれからゾロゾロと……」

「そうなんだ。それにしても、出来上がってるね」

「お父さんたち、お酒も持ってきてて……それで」


 本当にご飯よりお酒だもの……まさか、こんなふうになるなんて思わなかったし。


「おー……葵織、帰ってきたのか〜お帰り。お前は幸せもんだなぁ……毎日こんな美味いご飯食べられて」

「そうだね、父さん。お願いだから、しっかりしてください。酔うだけ酔って寝るなら家に帰ってください」

「はー冷たいなぁ葵織はぁ〜。それともあれか、可愛い可愛い奥さんは独り占めしたいってことか。ベタ惚れだもんなぁ」


 ベタ惚れ……?
 何、言ってるの?

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