身代わり同士の結婚。 〜年下ですが、愛してくれますか?〜
こんなお父さんは見たことなくて私もどうすればいいのかわからなかった。姉たちの結婚は、旧財閥家である西條不動産と筒香リゾート会社を強固としたものにするためにするものだった。それなのに当の本人たちがいなくなってしまったのだから当然だ。
それからお互い最善な選択をするために筒香さんは帰って行った。その後もお父さんは何も話さず書斎へこもってしまった。
そして三日ほど経った夕食の時間に、お父さんはまたも驚くような言葉を発した。
「筒香さんと話し合った結果、優結と筒香さんの次男である葵織くんと結婚してもらうことになりそうなんだ」
そう言った瞬間、お母さんが「結婚!?」とショックを受けたように叫んだ。
「えっ? 結婚、ですか? 私、が……」
それもそのはず、私は両親に結婚相手は自由にと言われていた。だから、急に結婚相手が決まったと言われても頭が追いつかない。