冥府の女神のヤンデレ愛・妄想爆裂・古代メソポタミア神話

冥界への旅路

<冥界への旅路>

ウルクの街の一番西側、
その先は荒野が広がります。
ネルガル神は、ウルクの城壁の通用門を開け、
目の前に広がる、荒野を眺めていました。

この先には<クサ>という街があるらしいが・・
冥界の入り口という。

すると、黒い衣のナムタルが、
荒野の向こうから、
たった一人で歩いてきました。

「ネルガル様、それでは参りましょう」
ナムタルはシラっと、事務的に言います。

「その・・先日は・・
いきなりぶつかってしまって、
悪かった・・」
ネルガル神は、武人らしく、
ナムタルにきちんと頭を下げました。

「別に・・謝罪はエレシュキガル様になさってくださいよ」
ナムタルは、ちょっと居心地の悪さを感じています。

突き飛ばされた時はどんな奴か、
兜をかぶっていたし、顔もわからなかったけど
<ああ、こいつは本当に天の神だよねー>という、
感想を、ナムタルは持ちました。

黄金の髪、純白の長衣、
腰に結んだ帯は戦闘神、火星の
象徴である深紅です。
長身で、いかにも鍛えられているのがわかる身体。
細マッチョです。

顔立ちは、端正、決して粗野ではない、
エア神の子どもだけあって、
知性と教養を感じさせます。
いかにも、お育ちのよさげな、
いじけず素直に育ったタイプですね。
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