冥府の女神のヤンデレ愛・妄想爆裂・古代メソポタミア神話

ナムタルの報告

<ナムタルの報告>
「エレシュキガル様、
ご報告申し上げます」
ナムタルは若干、言いにくそうに、
机にむかっているエレシュちゃんに、声をかけました。

「ネルガル様は、こちらの用意した椅子にも座りませんし、食べ物にも口をつけません。
どうなさいますか?」

エレシュちゃんは、
うず高くなっている死者の個人
情報データの用紙から、はじめて顔を上げました。

「困りましたね。
冥府の物を何かしら使わないと、
神の所属の者は、裁定ができないから・・・」

神所属は、色々手順が必要なのです。

「わかりました。
私が様子を見に行きましょう」
エレシュちゃんが立ち上がりました。

「侍女を呼びましょうか」
ナムタルが言うと、
エレシュちゃんは、それをさえぎって
「私一人が行きます。
相手に警戒心を起こさせるのは、まずいから」

「それでは、よろしくお願いいたします」
ナムタルは丁寧に礼をして、退出しました。

さて・・
エレシュちゃんは、侍女の衣をまといました。
髪は二つに分け、三つ編みにします。
足が痛いので、素足にサンダルを履きました。

大きな姿見に映る自分・・
明らかに少女です。
これならネルガル神は、
警戒をしない、大丈夫だろう・・・
エレシュちゃんは、ネルガル神のいる離宮に向かいました。
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