君に溺れてみたい
私は一応、彼女として来てるんですけど。

「翼さん。注文はいつも自分だけで決めちゃうの?」

「悪い?」

何がおかしいの?と言わんばかりに、眼鏡をスッと上げる。

「お金は俺が払うし。女だって、男に決めて貰った方がいいでしょ。」

そうなんだけど、何かが違うんだよね。

「一緒に来てるんだから、一緒に決めたいな。」

「ふーん。何か、女は好きな物頼んで、お金は男が払うって、不公平だよね。」

「ごめん。」

一応謝ったけれど、君のその考えが、女を寄せ付けないのだよ。


それからずっと、翼さんの自慢話をされた。

要は、自分は仕事ができる。頼りにされている。魅力的な男だと言う事。


「今日は、マオリに会えて嬉しかった。楽しかったよ。」
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