君に溺れてみたい
「私もです。」

そう言うと、翼さんは顔を真っ赤にした。

「マ、マオリ!」

「はい?」

翼さんは、真っ赤な顔で眼鏡を上に持ち上げた。

「マオリがまた会いたいって言うなら、会ってあげてもいいよ。」

私はにっこりと笑顔を見せた。

「嬉しい。また会いましょうね。」

翼さんの目がヒクヒクしている。

まさか、そんな事言われると、思ってなかったのかな。

「それではまた。」

私が翼さんに手を振ると、彼は頭を何回も下げて、逃げるように去って行った。


「ふう。」

私は大きく息を吐いた。

「何が会ってあげてもいいだ。調子に乗らないでよね。」

私はクルッと振り返ると、真っすぐに事務所に向かった。
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