【電子書籍化】婚約破棄したい影の令嬢は
影響力を持つ公爵家に意見する事など出来はしない。
そして発狂しながらディアンテの悪口を言いまくるフィリップ・サムドラ。
サムドラ公爵家の嫡男であり、ディアンテの婚約者である。
公爵はでっぷりとした腹を撫でながら困惑した表情を見せる。
そしてそのサムドラ公爵と瓜二つな妹のレミレ。
レミレは自分の方がディアンテより優れており、自分の方が美しく、女として優れているとディアンテに常にマウントを取ってくる始末。
サムドラ公爵はディアンテが何も言わない事をいい事に、ディアンテにベタベタと触れてこようとする。
ディアンテは何よりもその事が嫌だった。
タイミングよく侍女が来てくれるので助かっているが、なるべく2人きりにならないように気をつけている。
フィリップを甘やかしまくる公爵夫人は、息子がいかに可哀想なのかをペチャクチャと周囲に言いふらしている。
けれどアールトン家の噂が怖いのか、直接ディアンテに何かをすることはない。
フィリップと公爵夫人との繋がりは強固‥‥つまりフィリップはマザコンである。
ディアンテだって、こんな家に絶対に嫁ぎたくなどない。
こんな家に嫁いだらお先真っ暗だ。