【電子書籍化】婚約破棄したい影の令嬢は
触れる指先と唇から伝わる熱。
ディアンテを映す夕陽のような瞳は、愛おしそうに細められた。
小さく首を振るディアンテをアルフレッドは優しく抱きしめた。
ディアンテの名前を『アイネ』で呼ぶこの男‥‥アルフレッド、いや『フィルズ』と言った方がいいのだろうか。
この男と関わらないようにする為にディアンテは必死に己を隠してきた。
全ては『フィルズ』の幸せの為に‥。
「また君に会えた‥‥アイネ」
「わ、わたくしディアンテ・アールトンと申します」
「‥‥」
「アイネではありません‥人違いではないでしょうか?」
ディアンテが言うと、アルフレッドはディアンテにグッと顔を近づけた。
その瞳は優しくディアンテを映し出す。
「君と目が合った瞬間に全てを思い出す事が出来た‥僕の願いを叶えてくれてありがとう」
「‥‥っ!!」
アルフレッドの重みのある言葉にディアンテはドレスをギュッと握り込んだ。
ディアンテには『アイネ』の記憶があった。
そしてアルフレッドは先程『フィルズ』の記憶を思い出した。
ディアンテを映す夕陽のような瞳は、愛おしそうに細められた。
小さく首を振るディアンテをアルフレッドは優しく抱きしめた。
ディアンテの名前を『アイネ』で呼ぶこの男‥‥アルフレッド、いや『フィルズ』と言った方がいいのだろうか。
この男と関わらないようにする為にディアンテは必死に己を隠してきた。
全ては『フィルズ』の幸せの為に‥。
「また君に会えた‥‥アイネ」
「わ、わたくしディアンテ・アールトンと申します」
「‥‥」
「アイネではありません‥人違いではないでしょうか?」
ディアンテが言うと、アルフレッドはディアンテにグッと顔を近づけた。
その瞳は優しくディアンテを映し出す。
「君と目が合った瞬間に全てを思い出す事が出来た‥僕の願いを叶えてくれてありがとう」
「‥‥っ!!」
アルフレッドの重みのある言葉にディアンテはドレスをギュッと握り込んだ。
ディアンテには『アイネ』の記憶があった。
そしてアルフレッドは先程『フィルズ』の記憶を思い出した。