【電子書籍化】婚約破棄したい影の令嬢は
「怖がらないで‥っ!ただ君に御礼が言いたかっただけなんだ」

「‥‥っ」

「ごめんね‥ありがとう」
 

アイネは目を見開いた。



ーーーそんな時だった。



「ーーーフィルズ様ッ!!」



遠くから複数の声が聞こえた。
アイネは少年の手を振り払うと急いで森の中へと駆け出した。



「待って‥!名前を!!」


フィルズは声を掛けたが、少女は瞬く間に消えてしまった。
何人かの護衛に抱えられながらフィルズは目を閉じた。
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