初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
アーロン王子殿下の側近は
騎士団団長のご嫡男ブラッド様
宰相様のご次男レイモンド様
大司教様の甥御クレイモア様 のお三方でした。


「ブラッド様はどうして、クリスティン様の力に気付かれたのでしょうか?」

「これは私の推察ですが……
 彼は騎士として育てられていたから、です
 私達騎士はどんな戦いの場においても、
相手の気迫に呑まれぬように己を律し、
心身をコントロールする事を学びます」


私の問いに答えられたエドガー様からは、騎士
としての誇りを感じました。


「大司教の伝手でアン・ペローが入学して
アーロンと恋に落ちたというが、
それは真実の愛に見せかけた芝居だろうと、
思っている
 恐らく筋書を書いたのは、筆頭公爵家の権力を少しでも削ぎ、王太子を取り込みたかった教会だ」

「お芝居……始めからペロー嬢はその役割で?」

「アーロンにはそう伝えていただろうけれど、
教会の本音は、本当に気に入って貰って側妃か
愛妾になれればと、願っていたと思う」

「周囲からはペローに侍る4人の男と認識させるように行動していましたが
 本当は王子殿下をあの女から守っていたんだと思います」

「ペロー嬢も、王子殿下を守っていらしたと?」

殿下とエドガー様が大きく頷かれました。
 
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