初恋の沼に沈んだ元婚約者が私に会う為に浮上してきました
それからもお茶会は開かれず、私が皇太子殿下とエドガー様にお会いする機会は、ありませんでした。


静かな日常が戻って来て、学院の日々は過ぎていきました。
季節は冬を迎えようとしていました。


お父様やお母様、スカーレットとギリアン、
ステーシー様からもお便りが届きました。

お父様は、まだ半年先の卒業式に出席しそのままカステードへ連れて帰るので、その心積もりで
いるようにと、綴られていました。

お母様からのお手紙には、カステードの社交界の噂と最後に
『気が合わない人にほど笑顔を見せなさい』と書かれていて、
『それで大概は乗り切れる』と、結ばれていました。

ステーシー様のお手紙には、領地経営科の皆様や先生方の近況が綴られていて卒論のテーマに迷っていると、悩んでおられるようでした。

スカーレットからの手紙の内容の大半は
ヒューバート様との喧嘩とその仲直りの経緯が
書かれていました。

ギリアンからは卒業式には出席出来ないけれど、代わりに花を贈るので希望はないかと尋ねられましたので、彼にはまだ愛する人はいないのだと、わかりました。


誰からも、その後のノーマン様とクリスティン様の事を知らせる手紙は届きませんでした。


お父様にガルテンのお茶についてお尋ねしようかと思いましたが、
殿下からその事についてお話があるまでは動くのは止めようと、思いました。



もう3人だけのお茶会でお話をすることはないかもしれませんが、
アーロン王子殿下やノーマン様のことを私は考え続けていました。
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